日本遺伝看護学会は遺伝看護サービスのありかたとその質的向上について考えています

ニュースレター No.2 2000年9月20日

特集:第5回公開学習会を岩手に開催

 


2月に当研究会がスタートし,隔月開催の予定で始めた学習会でしたが,振り返ってみますと6月を除き毎月開催してまいりました。どの会におきまして も多くの看護職や医師,臨床心理士の皆様との新しい貴重な出会いがあり,事例を通して意見を交わすことができました。この凝集した出会いは,つまりはこの ような討論をする場を多くの人々が求めていたという証拠といえるでしょう。当研究会では,このネットワークをできる限り広げていくことと,相互の関係を深 める機会を提供したいと考え,東北岩手における第5回公開学習会を企画致しました。

第1部におきましては,本研究会会員の日々の実践活動や研究の一部を報告致しました。第2部におきましては,過去4回の学習会で検討した事例から, 特に2つのテーマを取り上げ検討いたしました。2時間半たっぷり時間をとり,看護職の判断やケア方法,関係性の取り方など具体レベルの検討を行ないまし た。宿泊施設に場所を移し第3部では,各々のこれまでの実践活動や個人的体験,また,これからの抱負など分かち合い,親睦を深めることができました。より 良い看護ケアを通して社会の人々に貢献する為に,この公開学習会における事例検討を続けていきたいと考えております。各会員の皆様には続けて参加して頂 き,ぜひ日頃の実践活動や研究活動の共有の場としていただきたいと願っております。(文責:中込さと子)

Program : 第1部 報告会(参加人数 41 人)

遺伝医療の中の看護の課題
わが国における遺伝医療に関する看護教育の実態
盛岡保健所における遺伝相談の状況
日本遺伝看護研究会の活動報告

第2部 事例検討会( 35人 )

Session1:保因者を初めとした家族へのケア
Session2:先天異常に関わるケア

第3部 懇親会( 19人 )

 

セミナー参加者からのお便り


第5回公開学習会に参加して


熊本大学医療技術短期大学部看護学科 柊中智恵子

この夏、初めて日本遺伝看護研究会の公開学習会に参加しました。熊本に住んでいる私は、東京で開催される2ヶ月ごとの学習会には参加したくてもそう そう毎回参加することもできず、送っていただく案内を見ては悶々とした気持ちでした。しかし、今回の学習会は今まで検討された事例を再度振り返り検討され ることと、宿泊研修であり会員の皆様との親睦も図れるという特典付きでしたので、遠い岩手での開催ではありましたがさっそく参加を申し込みました。

私は、大学病院で看護婦として勤務していたときから、家族性アミロイドポリニューロパチィー(FAP)の患者・家族の方々とお付き合いしてきまし た。この疾患は常染色体優生遺伝であり成人期発症型です。近年では肝臓移植が行われるようになったため、患者さんやそのご家族は移植と遺伝子診断という先 端医療問題の渦中に置かれているといっても過言ではないでしょう。しかし、私は医療や自分の行っている看護に対して問題意識を持ちながらも、遺伝に対する マクロ・ミクロな視点での知識が欠けているため手をこまねいている状況でした。

 そのような折、『看護技術』で「遺伝看護はじまる」という題名のもと、第1回遺伝看護セミナーの様子が掲載されている論文を読み、勇気を出して事 務局に連絡をしました。そうしたところ、さっそく事務局の有森様から心暖まるメールが届き、以来たくさんの情報を送っていただいています。今まで自分なり の考えでしか活動できず、暗中模索の状況に一筋の光が射し込んだようでした。

 今回の学習会への参加は、自分のこれまでの問題を解決する道を探し求めるという目的がありましたが、同じ問題意識を持っておられる看護職の皆様に お会いしてお話をすることが大きな目的でもありました(いつもメールでご連絡いただく方々はどのような方々なのかと)。そして、学習会はその期待通りのも のでした。

 学習会には安藤広子会長をはじめとして、小児科医でこの研究会をバックアップしていただいている長谷川知子先生を含め18名の会員の方々と、岩手 の看護職の方々が参加されていました。「遺伝医療の中の看護の課題」「我が国における遺伝医療に関する看護教育の実態」「盛岡保健所における遺伝相談の状 況」など、興味深い内容でした。また、午後は2グループに別れての事例検討会であり、私は初めて遺伝性疾患に対して客観的に事例を検討するという経験をし ました。はじめは熊本から飛行機を乗り継いで遥々岩手まで来たーという感じでしたが、遺伝看護に対する皆様の思いが同じであることを確信すると、学習会が 終わる頃には岩手がぐっと身近に感じられました。会場の岩手県立大学は、ゴルフ場の真ん中に校舎がたっているのではないかと錯覚するくらい広大な芝生の敷 地の中に整然とした真新しい建物が聳え立っていました。こんなところで青春時代を送ることができる学生は幸せ者だなと思いました。

 夜の懇親会では、各自の自己紹介によって皆さんのこの会への思いがわかりました。大変和やかな会で「もう一度(いや何度でも)参加したい(皆さんにお会いしたい)!」と思っています。皆で温泉に入って、枝豆をつまみながらの二次会がまた楽しいひとときでした。

 ヒトゲノムの解析が終わろうとする21世紀には、病気を語るのに「遺伝・遺伝子」を抜きにしては語れなくなるのではないかと思います。そのような 状況の中で看護職はどのような役割を果たすことができるのか、これは大変大きな課題です。遺伝に関する専門的知識の普及はもとより、医療人としての倫理性 が問われると思います。今後もこの研究会の役割に期待すると同時に、私たちが創っていくのだという意識を持ちたいと思いました。

 ちなみに大変個人的なことですが、1歳9ヶ月の子供を抱えているため、母と子供同伴の参加になりました。皆様には迷惑をおかけしないようにと思っ ていましたが、この会への参加を決めた時点から準備担当の先生には大変お世話になってしまいました。丁寧な対応にこの会のあり方そのものをみるような思い でした。

 岩手の空港がある花巻は、宮沢賢治のふるさとです。賢治が「銀河鉄道の夜」で求めようとしたものは、「本当の幸いの在処」ではなかったでしょうか。私たちも賢治のふるさとで、人間にとっての「本当の幸いの在処」を追究することができた2日間だったと思っています

自分の看護を振り返り、感じ取る場


長野県立こども病院 総合母子周産期センター産科 鷹野真理

今回、初めてセミナーに参加させていただきました。「遺伝といっても、あまり詳しい事は分からないけど・・」という気持ちで参加したので、セミナーが始まるまでとても不安でした。

 実際に参加して、遺伝の疾患を持っている云々ではなく、看護者の関わりってなんだろう?という事をディスカッションしながら、自分の看護を振り返り、感じ取る場であるのではないかと感じました。

 私は、9月25日にオープンを控えている産科準備室に所属しています。今回は、セミナーでの感想を産科のメンバーに報告したところ、「同じ気持ち で行き詰まっていた」「総合母子周産期センターの産科は、患者さんの話をじっくり聞けることが業務であるようにしたいね」など、様々な意見を聞かせてもら えました。今後も、このようなセミナーに参加し、少しでも自分自身の看護の振り返りや、行き詰まった経験を皆さんと一緒にディスカッションしながら学んで いければと思っています。

 今回は、いろいろな立場での多くの先輩方からお話を聞く事ができ、また聞いていただきまして有難うございました。次回皆様にお会いできることを心待ちにしています。

課題に1歩踏み出せるような感触


聖路加看護大学大学院 辻 恵子

初めて真夏の岩手での学習会に参加しました。岩手は素敵なところでした。全国で活躍されている皆様と、それぞれの課題や悩みを共有し、楽しく有意義 な2日間を過ごすことができました。事例検討会では、手つかずになっている、現場での足もとの課題に、1歩踏み出せるような感触を、皆で共有できた気がし て、嬉しかったです。

「人と人との関わり」について語る場


岩手県立大学看護学部環境・保健看護学講座 岩渕光子

初めて公開学習会に参加し、皆様の熱意に圧倒されるばかりでした。一昨年まで、保健婦をしておりましたが、このような形で人と人との関わりを考えたことがあったでしょうか。
 実に感動した1日を過ごさせていただきました。この場は、「人と人との関わり」について語る場、考える場であったように感じます。 ありがとうございました。

 

参加・見学報告


このコーナーでは、遺伝医療に関わる研修会や学会への参加、施設見学等、参加した会員がその様子をご報告します。皆様も是非、報告をお寄せください。

神奈川県立こども医療センター


山梨県立看護大学 中込さと子

病院長であり,長く遺伝科で活躍されている黒木先生にお会いしてきました。神奈川県立こども医療センターは昭和44年に開設され,その4年後には遺 伝科が開設されました。当時,臨床がback groundにある唯一の遺伝科だったそうです。遺伝科は様々な科の患者をみる,Generalな科として位置づけられ,成長,教育,療育まで見守るとい う役割があるとのことです。2週間に1回の遺伝科カンファレンスに加えて,当センターには多職種10名程で構成された母子保健室があり,患児と家族を支え る重要な役割を取っているとのことです。どこの科にも属さず,また,地域との連携もとり,独立してユニークな活動をしているそうです。詳しくは,以下の文 献をどうぞ。;黒木良和:遺伝カウンセリング,臨床医,25(6),53-57,1996.黒木良和:遺伝カウンセラー制度,小児科診 療,62(7),983-987,1999.

信州大学遺伝子診療部


山梨県立看護大学 中込さと子

1996年に発足した信州大学遺伝子診療部については,多くの方がご存知のことと思います。そこでは,ホームページも開設しており,遺伝子診療のシステム をはじめ,活動の報告もあり必見です。私たち看護職も医療者の1人として登録可能です。ホームページ「いでんネット」に併せて,ぜひごらんください。

(http://genetopia.md.shinshu-u.ac.jp/s-data/idenshi-shin/about.html)

また,文献としては,・福嶋義光:遺伝子診療システムの構築に向けて,臨床医,25(6),76-79,1996.にも詳しく紹介されています。

エスアールエルSRL


東海大学健康科学部 横山 寛子

去る、9月2日(土曜日)に学習会の一環として、八王子にある受託臨床検査会社である「エスアールエル(SRL)」を見学してきました。当日は、9 月とはいえ今年一番の猛暑で、午前中の見学でしたが、みな額に汗を流しながら集合しました。今回の見学の目的は、企業活動として行われている遺伝子関連の 検査がどのように取り扱われ、どう保健医療機関と連携を取りながら遺伝医療システムとしての機能を果たしているのかを知ることでした。

 まず、エスアールエルの企業規模をここに紹介します。
 従来、臨床検査は病院や医療機関などで行うことが一般的でしたが、高度で複雑な検査項目の需要増大、検査試薬や検査機器の高額化、病院経営の合理化など 様々な要因によって、現在、全国900箇所以上に受託臨床検査機関が開設されていますが、その中で最大規模の施設とシステムを保持しているのがこの「エス アールエル」だそうです。平成11年度の一日平均検査受付け件数は、6.9万件にも及んでおりその取り扱いには、疾病の診断、病態の解明、治療方針の決 定、疾病経過の観察など臨床データとしての正確性と迅速性が要求されています。そのために、検体の取り扱いに慎重を期すとともに受託検査の信頼性を高める ために精度保証体制を整備し、外部からも高い評価を受けているそうです。

 つぎに、遺伝子・染色体関連の検査の対応と保健医療機関との連携についてお話しします。遺伝子解析および遺伝医療が急速に進歩する中で、遺伝子関 連の検査の需要が急速に増加したため、エスアールエルでは「遺伝子・染色体解析センター」を1995年に開設し、検査の質の向上を図るとともに、倫理社会 的側面を含めた遺伝医療システムの一員としての検討を行ってゆくために、各専門機関との連携・調整を行っています。現在までの遺伝子関連の検査は165万 件程で、その内訳は感染症の遺伝子検査が90%、ヒト遺伝子に関する検査が2%、染色体検査が8%であり、これらは通常の診断ではなく、研究機関からの研 究目的による分析が大半をしめているということでした。つまり、現時点では、臨床的に保因者診断や発症前診断を行っているものは極めて少ないといったのが 現状のようです。しかし、一般の人々の医療および遺伝に関する関心の高さからすると、遺伝検査を受ける際の倫理面の基準を早急に整備してゆく必要があるこ とを改めて認識させられました。そうした中、「トリプルマーカー」や「羊水染色体検査」については、独自に「出生前診断にかかわる検査に関するガイドライ ン」を設け、医療機関と連携をとりながら、妊婦へのインフォームドコンセントを図るとともに、守秘義務の徹底に努めおり、保健医療システムの一員としての 望ましい姿勢を伺うことができたと思います。

 今回の研修は、施設見学のみにとどまることなく、保健医療システムの一員として、検査部門に携わる方々が、遺伝医療をどのように捉え、どう参与していこうとしているのかといった部分に触れることができたことは大きな成果であると思います。

 外は猛暑でしたが、クーラーのきいた会議室において、おいしい昼食をとりながらエスアールエルの担当の方々とフリーにディスカッションできたこと は、遺伝医療のチームメンバーとして、今後看護職がどう他のチームメンバーと連携・協力をしてゆくことが必要なのかを考えることができたのではないかと思 います。

 帰路もまだまだ日差しが強く、秋はどこへいってしまったのかと思わせられましたが、自分の中に、遺伝看護の「実り」が感じられるような一日であったと思います。

第10回遺伝医学セミナー


会場:東京ホテル浦島
期日:平成12年9月8日(金)-10日(日)

北海道医療大学 篠木絵理

会員の皆様はじめまして.今年5月に入会致しました.雑駁ではありますが,新入会 のご挨拶を兼ねてご報告させていただきます.

 学生時代より「遺伝」に関心を持ちながら,臨床看護婦として,染色体異常児や遺伝病の子どものお世話をし,「子どもの看護」を中心に実践してきま した.2000年を 迎え,実践の中心を「遺伝」にシフトしようと動き出したばかりの私にとって,とて も充実した内容のセミナーでした.

 このセミナーは日本人類遺伝学会主催であり,定員を越える250名の参加者とスタッフ,講師を含めると総勢300名近くの方が一同に会する大規模なものでした.本研究会の会員数名も参加され,交流を深めることができました.

 プログラムは講義が中心であり,9コマの遺伝学の基礎的内容,4コマのトピックス,臨床遺伝学認定医・模擬試験と昨年度の模擬試験最高得点者による講演, Small Group Meetingと盛りだくさんの内容でした.今回のセミナーは3回1シリーズの第1回目(4クール目)であり,入門編と言うことでしたが,例えば,染色体の表記方法や疾患を十分に理解していないと講義によっては難しいものもありました.

 今年初の試みとして,講師に厚生省母子保健課長を招いた講義「母子保健と遺伝医療政策」がありました.

 この意図としては,厚生省の方に遺伝医療に熱心に取り組む人々の姿を見ていただこう,私たちの声を届かせ,対話しよう!ということがあったと思います.また,講義の中で.今後の課題として以下の5点があげられました. 1.国民の理解2.医療関係者の理解3.情報提供体制4.カウンセリング体制5.医療供給体制,以上のことは遺伝サービスの質の向上を図るという本研究会の目的,事業とも一致するものでしょう.

 お話の中で「子ども家庭総合研究」の紹介がありました.ご存知の方もいらっしゃると思いますが,厚生省のホームページ(http://www.mhw.go.jp/)に詳細が紹介されていますので,ぜひご参照ください.

 この他,Small Group Meetingには日本臨床遺伝学会の協力による遺伝カウンセリング ・ロールプレイがありました.

 このGroup Meetingには約150名の申し込みがあり,5ヶ所に分かれて行なわれました. 遺伝カウンセリングへの人々の関心の高さを示しているのでしょう.

 今回のケースは親子鑑定をして欲しいと言うカップルでした.妻(クライアント)役として,大阪府立看護大学の4回生が数名いらしていました. セミナーの前にトレーニングをしてきたと言うことでしたが,非常にきめ細かく教育されており,カウンセラー役の参加者の対応によって,発言を展開させてゆ くのです.このことは,セミナー後に本研究会会員の方とお話したのですが,やはり看護学生では,常に「対象の理解」を訓練されていますので,ロールプレイ においてもスムーズに役割を取れるのではないかと感じたのです.私たちが経験してきた「対象の理解」を明らかにしていく,また,多くの人々に理解していた だけるように言語化してくことが,遺伝サービスにおける看護の重要な役割の一つと考えました.

 時代のニーズにこたえつつ,質の向上とは,一人で実践するにはなんとも欲張りなようにも思います.しかし,会場の熱気に包まれると,実に簡単なことのようにも感じられました.
 来年の開催地は未定ですが,北のほうとか..来年はぜひご一緒に参加しましょう.

(来年は仙台が予定されているようです。詳細は人類遺伝学会へお問合せください)

第3回家族性腫瘍遺伝カウンセラー養成セミナー


会場: 兵庫医科大学
期日: 平成12年8月24日(木)-27日(日)

慶応大学 武田祐子

 今年で第3回を迎えた、家族性腫瘍研究会主催のセミナーの様子をご報告します。このセミナーはがんの予防医学を遺伝医療の立場から実践し、患者や 家族構成員を支援する目的で1998年にスタートしました。受講資格は、医師、保健婦(士)、助産婦、看護婦(士)、臨床心理士、臨床検査技師、薬剤師、 検査会社の担当者などと多岐にわたっています。これは、アメリカの遺伝カウンセラーは、様々な背景を持ちながら修士課程程度の専門教育を受けた後、認定を 受けて活躍しているという状況を反映したものです。

 初回セミナーでは、研究会メンバーが多く、講師兼、受講生といった感じでしたが、今年は各地から家族性腫瘍に関心を持つあらゆる職種の方が、80 名以上、看護職の方も十数名が参加されました。実際に遺伝子診療部など専門外来が開設され、看護の役割に対する期待を担って参加された方も数名いらっしゃ いました。お話を伺ったところ、ほとんどの方がスタートについた段階にあり、医師との役割分担や患者への対応など、様々な課題を抱えていらっしゃるようで した。

 カリキュラムは、前半は基礎的な知識(がんの病理・病態・臨床、人類遺伝学、分子生物学、がんの細胞生物学・がん関連遺伝子等)の習得を目的とし ていました。後半は遺伝学・遺伝子診断のカウンセリングへの応用およびカウンセリングの基礎等を学び、実践的なトレーニングに重点を置いた編成になってい ました。ハードなタイムスケジュールで、2日目からは9時開講、昼食時もランチョンセミナーで疾患の各論を学びました。

 ロールプレイは、2日目の夕方に遺伝性非腺腫症性大腸癌の事例が呈示され、10グループに分かれ問題点の抽出や、カウンセリングの対応について討 議を行いました。どのグループも熱心に、10時過ぎまで話し合っていました。(夕方のセッションで食べたサンドウィッチの軽食のみで疲れ果てて休んでし まった人も多かったとか・・・・)3日目には各グループの代表者がカウンセラー役に挑み、その熱演に思わず引き込まれてしまうほどでした。

 実習では、DNA抽出、PCR法、SSCP法、DNAシークエンス法のほか、家系情報ソフトのデモがあり、講義とは一味違う体験を楽しんでいたようです。

 最終日には「遺伝カウンセリング体制の構築」と題して、臨床遺伝専門医制度や遺伝カウンセラー(非医師)制度、地域遺伝カウンセリングシステムが どのような現状にあるのか、各学会、研究班の代表の方が発表され、それらの中において、がん遺伝カウンセリングが目指す方向が検討されました。システムと して確立されない現状において、遺伝カウンセリングは誰が行なうのか、がんの遺伝子診断の普及等にどのように対応できるのか等、多くの課題が示されまし た。
 暑い暑い日々でしたが、がんの遺伝カウンセリングに対する熱い思いに溢れ、学びの多い4日間でした。

 

学会・セミナー情報


第12回日本生命倫理学会年次大会

テーマ:医療情報と生命倫理
期日:2000年11月3日(金)、4日(土)
会場:
旭川市 大雪クリスタルホール 北海道旭川市神楽3条7丁目 Tel.0166-69-2000
参加費:
正会員 5000円(当日参加は6000円)、学生会員および会友 3000円(当日参加は4000円)、非会員 1000円
懇親会費:
5000円(当日参加は6000円)
振り込み方法:
郵便振替
口座番号: 02720-8-58166 
加入者名: 第12回日本生命倫理学会年次大会
      通信欄に金額の内訳をご記入ください。
第1日目
・ランチョンセミナー1「脳死と臓器移植」
・シンポジウム「生命倫理のグローバリゼーションについて」
懇親会 (パレスホテル)
第2日目
・ランチョンセミナー2「遺伝子診断と遺伝子治療」
・ シンポジウム「ヒトゲノムの問題と生命倫理について」

 

日本人類遺伝学会第45回大会

会期:平成12年10月25日-27日(金)
会場:アクロス福岡(福岡市)
大会会長:笹月 健彦
【1日目】平成12年10月25日(水)
・ シンポジウム 10:30-12:30 
 (1) 生命高次複雑系の遺伝学 (2)癌と遺伝子
・シンポジウム 16:00-18:00
 (2) Genes Involved in Multifactorial Diseases  
 (3)生命倫理を考える―各学会倫理委員長による討論
・ ランチョンセミナー12:45-13:45  「遺伝子解析」(仮題)
【2日目】平成12年10月26日(木)
・ シンポジウム10:30-12:30 
(1)ゲノムのダイナミクスとスタビリティ
(2)遺伝子治療と遺伝子診断
・ ランチョンセミナー12:45-13:45 「マイクロアレイ」(仮題)
【3日目】平成12年10月27日(金)
・ ランチョンセミナー 12:45-13:45
 「疾病遺伝子同定のための遺伝情報解析」(仮題)
・ シンポジウム13:30-15:30 
(1)ゲノムテクノロジーの進歩とその応用
(2)MHC研究の最前線-ゲノム解析から遺伝医学まで-
【教育講演】 9:00-11:30
『Klotho遺伝子研究の新展開』: 鍋島 陽一(京大・医・教授) ;『分子進化学から比較ゲノム学への発展』: 五條堀 孝(国立遺伝研・教授) ;『性の分化 ― 進化学的考察』 : 巌佐 庸(九大・理・教授) ;『免疫制御の新戦略』 : 奥村 康(順大・医・教授)
【市民公開講座】17:30-19:30
『ゲノム研究と21世紀のオーダーメイド医療』 : 中村 祐輔(東大・医科研・教授) ;『ヒトゲノム計画は何をもたらすか』 : 榊  佳之(東大・医科研・教授) ;『あなたの健康と遺伝子の生命倫理』 : 武部  啓(近畿大・原研・教授)

 

Johannes Reiter教授講演会(マインツ大学神学部教授)

  1. 「ヒト胚の倫理的・法的地位」
    日時:2000年9月22日(金)午後4時から  
    場所:芝浦工業大学(本部)会議室  東京都港区芝浦3-9-14
    責任者:棚橋 実 教授(芝浦工業大学)   医学哲学倫理学会関東支部主催
  2. 「ヒトゲノム解読と遺伝子治療」
    日時:2000年9月26日(火)午後3時から
    場所:早稲田大学第1文学部新研究棟第6会議室
    責任者:北村 実 教授(早稲田大学)

    *ヨハネス・ライター教授は1944年生まれ。ドイツの生命倫理系雑誌Ethik in der Medizinの編集委員の一人。「遺伝子工学の十戒」は日本でも 紹介されている。

    統一連絡先(日本医大・哲学倫理学教室・長島 隆) TEL&FAX  044-733-3326

 

第6回遺伝子診療セミナー

日時:平成12年10月20日(金) 午後3:00-6:00
場所:京都大学医学部附属病院 第一臨床講堂
テーマ:遺伝子治療の現状と将来 
講師:
大阪大学遺伝子治療学:金田安史先生
東京大学医科学研究所:谷憲三郎先生
名古屋大学脳神経外科:吉田 純先生
* 来聴歓迎(無料)
主催:京都大学医学部附属病院遺伝子診療相談室
お問合せ:
075-751-3503, kosugi@kuhp.kyoto-u.ac.jp (小杉まで)

 

第24回明治大学社会科学研究所公開講演会

空想科学小説が現実になるとき‐21世紀の生命倫理‐

会 場:
明治大学リバティタワー1F1013教室
JRお茶の水駅、地下鉄新御茶ノ水駅、地下鉄神保町駅、徒歩3-5分
参加費:無料
申込み:不要
第一回:10月5日(木)18:00-20:00
「医学の進歩と医の倫理」 佐賀正彦(聖マリアンナ医大産婦人科学教授)
第二回:10月12日(木)18:00-20:00
「生命<改良>時代の生命倫理-その誘惑と罠-」
森岡正博(大阪府立大学総合科学部教授)
第三回:10月19日(木)18:00-20:00
「性と生殖をめぐる自己決定を考える」
齋藤有紀子(北里大学医学部専任講師 /明治大学法学部兼任講師)
第四回:10月25日(木)18:00-20:00
 「デザイナー動物と生命倫理」  丸山公明(明治大学農学部生命科学科教授)
主 催:明治大学社会科学研究所 
後 援:千代田区教育委員会
問合せ:
明治大学社会科学研究所 tel:03-3296-4136
http://www.meiji.ac.jp/sha_ken/ 

 

平成12年度日本保険学会大会・総会

シンポジウム「遺伝子診断と保険事業」
日 時:2000年10月28日(土)13:40-16:50
会 場:
駒沢大学駒沢キャンパス 地下鉄新玉川線「駒沢大学」徒歩10分
参加費:
資料代(1000円)程度、非会員も当日参加受付可
シンポジウム:
総合司会 小林三世治(第一生命保険相互会社)

13:40-13:45 司会の言葉
13:45-14:05 「遺伝子診断とは」武部 啓(近畿大学)
14:05-14:25 「民間生命保険の仕組み」村田富生(三井生命)
14:25-14:45 「生命保険の危険選択」佐々木光信(千代田生命)
14:45-15:15 「遺伝子診断と保険業の法的交錯」岡田豊基(神戸学院大学)
15:15-15:35 「遺伝的多様性をどう理解するか」武部 啓15:35-15:45 休憩
15:45-16:45 質疑応答
16:45-16:50 まとめ 小林三世治(第一生命保険相互会社)

学会事務局:
財団法人損害保険事業総合研究所内 tel:03-3255-5512 fax:03-3255-1449

 

事務局からの連絡事項


  1. メールによる事務連絡を希望される皆様:

    学習会案内・ニュースレター等のご連絡は、現在郵送にて行っていますが、今後、メールでの連絡を希望される方は、[メール連絡希望]と明記の上、以下の宛先までメールにてご一報下さいませ。

     入会時にメールによる連絡を希望された方には二重の手続きとなり恐縮ですが、アドレス記入ミスや判読困難等のトラブルもあり、正確を期すため再度手続きをお願い致します。 宛先:naoko-arimori@slcn.ac.jp

  2. メーリングリストへの参加を希望される皆様:

     これまでに複数の会員の方々より、会員同士の情報・意見交換の場を設けたいとのご要望がありました。つきましては、メーリングリストの企画・運営を行ってもいいという方、事務局まで、ご連絡ください。

     メーリングリストの性質上、事務局による管理運営によらず、参加を希望される会員の自発性と自己責任により運営して頂きたいと考えております。予め、ご了承下さいませ。

 

第20回日本看護科学学会学術集会 交流集会のご案内


来る12月15日、16日に開かれる第20回看護科学学会学術集会で日本遺伝看護研究会主催の交流集会を開催します。今回は、米国Stanford 大学の遺伝看護の研究者であるGwen Anderson氏を迎え、米国での遺伝医療と看護の現状と、日本における遺伝医療と看護の現状を合わせて報告し、参加者と共に遺伝看護のこれからの方向 性を探っていく予定です。皆様もふるってご参加ください。お待ちしています。

  1. テーマ:遺伝医療と看護の可能性
  2. 日 時:平成12年12月16日(土) 午後13:20-14:50
  3. 会 場:東京国際フォーラム 東京都千代田区丸の内3丁目5番1号
  4. 参加方法:第20回日本看護科学学会学術集会に申し込む  TEL:3819-9558

 

編集後記


 今年は台風のあたり年のようですが、皆様つつがなくお過ごしでしょうか。ようやく第2号の発行です。多くの方から原稿をお寄せいただき、また、様 々な情報を載せることができました。ご協力くださいました方々にお礼申し上げます。これからもセミナー・学会が目白押しです。参加された方はニュースレ ターを通じてその体験を会員の方々と分かち合いましょう。広がりつつある遺伝看護の輪を支えていくのはあなた!!です。
(武田祐子)