日本遺伝看護学会は遺伝看護サービスのありかたとその質的向上について考えています

日本遺伝看護学会 第8回学術大会は、無事終了いたしました

第8回遺伝看護学術大会は、「あなたとつくる遺伝看護」をメインテーマに、広島大学で開催いたしました。 プレカンファレンスと学会2日間で医療関 係者111名、一般の皆様113名、合計224名のご参加をいただきました。大会テーマ「あなたとつくる遺伝看護」を象徴するかのように医療者と市民が ちょうど半々の学会となりました。

有森直子学会副理事長による講演「遺伝看護の潮流」は、日本遺伝看護学会10年の節目の学術大会講演として相応しいご講演でした。初めて参加する会員からも、参加経験のある会員からも、「日本の遺伝看護の流れと今後の課題が理解できた」という感想をいただきました。

檜山桂子先生による教育講演「ゲノム情報に基づく医療の展開」では、ゲノム情報がどのように医療を変えるか、について非常に明瞭に教えていただきました。参加者からとても好評でした。檜山先生は現在、e-learningプログラムを作成中とのことで開講が楽しみです。

午後からは、実践、教育、研究のコンセプトで、パネルディスカッション2題と口演発表がなされました。これからの新しい課題が見いだしていただければと思います。

第2日の交流会は、市民と市民、市民と医療者とが相互に理解しあう出会いの場、学びの場となりました。参加者同士、一体感を感じた温かい時間でした。

和田恵美子先生の市民講座「パートナーシップにあふれるまちづくり 患者の語りに基づく医療」は、大会の締めくくりにふさわしいご講演でした。「動 画での語りの強さに改めて驚いた」「人生設計していくうえでの支えになる」「伝えたい、名前を出しても良いという言葉に共感した」という声がアンケートに 書かれていました。

最後になりましたが、学会までの期間、会期中、不行き届きのことも多々あったことをお詫び申し上げます。

次回、第9回学術大会は、2010年10月2-3日(土・日)、慶應義塾大学看護医療学部 武田祐子会長のもとで開催予定です。来年もまたお会いしましょう。

私ども日本遺伝看護学会は、遺伝医療を必要とする人々のためにさらに尽力していく所存です。どうぞこれからもご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

2009年10月吉日 

日本遺伝看護学会 第8回学術大会、障がい・医療・社会について考える会 企画委員会一同

テーマ : 「あなたとつくる遺伝看護」

 


 「遺伝に関する看護を考える会」の発足から10年が経ち、日本遺伝看護学会はこれからの10年において新たな課題に取り組む時と考えます。先の 10年では単一遺伝性疾患や染色体異常をめぐっての、人の体験や価値の固有性の理解、遺伝学的診断をめぐる複雑な倫理的課題、遺伝を中心とした市民/共同 体との対話、遺伝看護継続教育プログラムに焦点が当てられてきました。新しい10年ではこれらのNursing in Geneticsをさらに発展しつつ、もうひとつのNursing in ‘Genomics’にも焦点を当てなければなりません。‘Genomics’とは全ての遺伝子について遺伝子間、遺伝子と環境、遺伝子と心理社会、文化 との関係に焦点を当てた領域です。

 さらに今回から全会期中、一般の皆様のご参加いただくことにしました。社会の人々に、遺伝看護について知っていただき、遺伝看護の進むべき方向性についての討議に参加いただき、今後の遺伝看護学の発展の基盤としたいと考えています。

 本学術大会では、遺伝看護について実践、教育、研究の観点から討議し、今後の遺伝看護学の発展の基盤としたいと考えています。さらにこれから遺伝医療の進むべき方向性について市民と共に考えていきたいと思います。

→第8回大会ポスター・ダウンロード(PDF:74KB)

会 期 : 2009年9月11日(金)・12日(土)
会 場 : 広仁会館 (広島大学 霞キャンパス内)
       (〒734-8551 広島県広島市南区霞1-2-3
会 長 : 横尾京子【広島大学大学院保健学研究科 教授】

*協賛 : 障がい・医療・社会について考える会

 事務局 中込さと子 Tel/Fax 082-257-5361 idenkang@hiroshima-u.ac.jp

(@を小文字にして送ってください)

 

大会プログラム


  1. 大会プログラム
  2. 参加申込
  3. 演題募集期間
  4. 宿泊
  5. 食事
  6. 託児
  7. 事務局

 

1.大会プログラム


◆プレカンファレンス

  • 日時:9月10日(木) 18:00-19:30
  • 場所:広仁会館 (広島大学 霞キャンパス内)

高齢妊娠妊婦の羊水検査に関するカウンセリングのワークショップ

35歳以上の女性の出産数は増加の一途をたどり、平成19年には21万件を超えました。実に全出産の約2割を占めています。この傾向に伴って、妊婦向けの雑誌やインターネット上には、女性の加齢に伴い増加する流産や染色体異常、出生前診断に関する情報が増えています。
これから助産師も外来等で、妊娠初期から妊婦の相談に対応する助産師が増えると思います。その役割を担うためには、高齢妊娠に対する不安や出生前診断に対応する知識とスキルが必要です。
 
少人数に分かれます。参加者が抱えている疑問、相互に意見交換したいテーマ、確認したい知識などを取り上げながら、進めたいと思います。病棟メンバーやご友人と誘い合わせてきてください。‘日本遺伝看護学会参加は初めて’という皆さん、大歓迎です。

ファシリテーター :中込さと子(広島大学)
各グループファシリテーターは、遺伝カウンセリング活動をしている日本遺伝看護学会会員が担当します。
 

※ぜひ事前登録をしてください。

所定の参加申込用紙をFaxまたはe-mailしてください。
参加費は当日受け付けます。

ご案内と参加申込用紙のダウンロード

idenkang@hiroshima-u.ac.jp
Tel/Fax 082-257-5361(学会事務局 中込さと子宛)
ワークショップ案内と申込用紙

◆学術大会

第1日:9月11日(金)  10:00-18:30 場所:広仁会館 大会議室

9:30 開場
10:00-10:15 開式の挨拶
10:15-11:45 講演:遺伝看護の潮流
有森直子副理事長
11:00-12:00 教育講演:ゲノム情報に基づく医療の展開
広島大学原爆放射線医科学研究所 准教授 檜山桂子先生

 

教育講演:9月11日(金)  11:00-12:00

テーマ「ゲノム情報に基づく医療の展開」
広島大学原爆放射線医科学研究所 遺伝子診断・治療開発
檜山 桂子

21世紀とともにポストゲノム時代が到来し、遺伝子解析は研究から診療へ、遺伝学(genetics)からゲノム学(genomics)へ、稀な単一遺伝子疾患からcommon diseaseとしての多因子疾患へ、と拡大しつつある。その急速な進展は、難治性疾患に希望をもたらす一方、法律も指針も医療者の知識も追いつかないまま解析が先行し結果が一人歩きする危険性をも突きつけている。がんにおける体細胞変異*1(肺 癌におけるEGFR又はK-ras、膵癌におけるK-ras、悪性骨軟部組織腫瘍におけるEWS-Fli1、TLS-CHOP又はSYT-SSX、消化管 間葉系腫瘍におけるc-kit、家族性非ポリポージス大腸癌におけるマイクロサテライト不安定性検査、血液系悪性腫瘍における免疫関連遺伝子再構成・キメ ラmRNA、乳癌におけるHER2遺伝子増幅)、単一遺伝子疾患*2(デュシェンヌ型およびベッカー型筋ジストロフィー、福山型先 天性筋ジストロフィー、栄養障害型表皮水疱症、家族性アミロイドーシス、先天性QT延長症候群、脊髄性筋萎縮症、中枢神経白質形成異常症、ムコ多糖症I 型、ムコ多糖症II型、ゴーシェ病、ファブリ病、ポンペ病)のみならず、多型*3解析(塩酸イリノテカン投与対象となる患者に対す るUGT1A1*28およびUGT1A1*6アリル判定)まで保険診療として認められた今日、日常診療においてもゲノム情報は不可避の項目となりつつあ る。しかし一方、遺伝子解析にはまだ研究としての側面も強く残されており、研究としての遺伝子解析と診療としての遺伝子解析の功罪やゲノム情報の意味をま ず医療者が十分に理解したうえで被験者に理解していただき、区別して実践し、結果を適切かつ有効に生かさなければいけない。その留意点とともに、ゲノム情 報が可能にする新たな医療展開を示す。

注)遺伝子変異は、子孫には伝わらない細胞、すなわち体細胞(肺・肝細胞など)に新たに生じた一代限りの変異「体細胞変異」*1と、子孫に伝わる細胞、すなわち胚細胞(卵子・精子やその元になる細胞)に存在する変異「胚細胞変異」とに大別される。一般のがんは、前者の「体細胞変異」の蓄積により発症する。「単一遺伝子疾患」*2は、後者の胚細胞変異のうち、一つの遺伝子変異のみで特定の疾患を発症するものをいう。「多型」*3とは、変異型が集団の1%以上に認められる胚細胞変異をいう。

 

12:00-13:00 昼 食
13:00-14:30 パネルディスカッション 1
テーマ:遺伝看護実践における包括的アプローチ
詳細はこちら
14:45-16:15 パネルディスカッション 2
テーマ:遺伝看護教育の方略
詳細はこちら
16:30-17:50 口演発表
18:00-18:30 ポスター掲示

第2日:9月12日(土) 8:30-12:00 場所:広仁会館 大会議室

8:30 開場
9:00-9:25 総会
9:30-11:00 ポスターセッション
10:00-11:00 交流集会
パートナーシップにあふれるまちづくり

前回に引き続き、交流集会を企画いたしました。
本大会に参加くださる皆さんです。心より歓迎し、感謝申し上げます。

  • 日本エーラスダンロス症候群協会とCTDサポーターズ協議会
  • 魚鱗癬の会
  • 日本ダウン症協会 広島支部「えんぜるふぃっしゅ」
  • プラダーウィリー症候群児・者親の会 竹の子の会
  • フェニルケトン尿症(PKU)親の会連絡協議会
  • 特定非営利活動法人 日本マルファン協会
  • 出生前診断の告知のあり方と自己決定の支援について考える
    「泣いて笑って」
  • お空の天使パパ&ママの会
  • 天使の保護者ルカの会
  • ミオパチー(筋疾患)の会 オリーブ
  • 日本プラダー・ウィリー症候群協会
  • つくしの会(全国軟骨無形成症 患者・家族の会)  広島支部
  • 日本ダウン症協会
  • 低フォスファターゼ症の会
  • 日本水頭症協会
  • 表皮水疱症友の会(DebRA Japan)
  • マルファンネットワークジャパン
  • 色覚問題研究グループぱすてる
  • SMSのこどもを持つ家族の会
  • SMA(脊髄性筋萎縮症)家族の会
  • 染色体起因しょうがいじの親の会 Four Leaf Clover
  • Beckwith-Wiedemann症候群親の会・
  • 22Heart Club(22q11.2欠失症候群の子どもと、その親が集うサークル)
  • わかばの会
  • 先天性四肢障害児父母の会

(申し込み順 10月2日現在)

11:00-12:00 市民講座 患者の語りに基づく医療
Narrative Based Care
Dipex(Database of Individual Patient Experiences)Japan 理事
大阪府立大学 講師 和田惠美子先生
交流集会・市民公開講座

 

市民講座「あなたとつくる遺伝看護」:9月12日(土) 11:00-12:00
協賛:障がい・医療・社会について考える会

テーマ
「パートナーシップにあふれるまちづくり・・患者の語りに基づく医療」
和田 恵美子(大阪府立大学看護学部)

私が患者さんの話す病気体験に関心を持ち、特別な意味を感じ始めたのは、まだ看護学生のときでした。その後現場の中で、患者さんたちと闘病記を読 むようになりました。読後、患者さんたちはそれまでの長い病気の経緯、どうしようもない思いを聞かせてくれました。本の著者の語りが、いつしか目の前にい る患者さんの語りになっていく、それを一番実感するときでした。多くの医療者は、一度は“患者さんが本当の教科書である”ことを臨床の中で実感し、中には それらを自分の働く礎としている場合も多いでしょう。

今回紹介するディペックス(DIPEx:Database of Individual Patient Experiences)は、2001年に英国オックスフォード大学で生まれた患者体験のデータベースです。その中にはがん、心臓や脳・神経、心の病気、 遺伝性疾患やがんスクリーニング検査、妊娠や介護など、47種類のさまざまな疾患や医療体験に関する2,000人近い人々の語りが収録されています。 2006年わが国においてもこの活動を取り入れようと多職種が集まり、DIPEx-Japanとして活動を始めました1)。とりかかりとして、乳がんおよ び前立腺がんの体験者約50名ずつを対象にインタビューを開始しました。このデータベースの特徴は、患者さんの語りが、ビデオ撮影による生の音声または映 像として収められているという点にあります。当初は各々50人の協力など得られるのだろうか、日本ではインターネット上に顔を出すことなど文化的に馴染ま ないかもしれない、また協力者にとって公開後どのような影響があるかは予測不能であるなど、心配がつきませんでした。しかし、結果は大きな違いとなって現 れました。多くの方から自発的に協力申し出があり、予定数を超えて類似の経過をたどるため断らざるを得ない場合や、公開時には病状が厳しいことを覚悟した 上で参加した人がいるなど、私たちの予想を超えた状況となりました。7月に乳がん、9月末には前立腺がんのサイトオープンを予定しており(2009年5月 末現在)、実際どのように利用されていくかは、これから時間をかけて評価していきたいと考えています。

病気にかかれば常にその初心者である私たちは、先輩患者の語りに何を見いだすでしょうか。医療者からの説明や患者会、イン ターネット上にあふれる情報以外の何を、先輩たちから聞きたいでしょうか。今回は、以前から出版されてきた書籍としての闘病記にもふれ、自らの病い体験を 社会に発信する立場について、またそれを医療に生かす医療者の立場について、いくつかの視点を皆さんと考えてみたいと思います。

1)平成19-21年度厚生労働科学研究費補助金がん臨床研究事業「がん体験の意向による治療方法等の選択を可能とする支援体制整備を目的とした、がん体験をめぐる『患者の語り』のデータベース研究班」

 

12:00- 閉会の挨拶

 

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2.参加申し込み


◆事前登録のお願い

参加者人数の把握のため、事前登録をお願いいたします。
所定の参加申込書(WORD:51KBPDF:22KB)に記入し、第8回学術大会事務局にお送りください。事前に参加費の振込みの必要はありません。 当日受付も受け付けます。

◆プレカンファレンスは事前申込が必要です

プレカンファレンスでは、高齢妊娠妊婦の羊水検査のカウンセリングの実際について、小グループでロールプレイやディスカッションをします。 事前にグループ分けをしますので、所定の参加申込書で必ず事前申し込みをしてください。プレカンファレンスのみの参加も可能です。

申込方法

参加申込書を以下の方法で第8回学術大会事務局に送ってください。
FAXの場合、082-257-5361
e-mailの場合、idenkang@hiroshima-u.ac.jp

(@を小文字にして送ってください)

参加費

参加費は当日受け付けいたします。

日本遺伝看護学会会員 5000円
非会員 7000円
学生(含 大学院生) 3000円

プレカンファレンスのみの参加 2000円(会員、非会員、学生全て)

 

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3.演題募集期間


演題は、研究や実践報告や問題提起など広く募集します。
本学術大会の主な発表方法はポスターです。学会2日めのプログラムになります。
口頭発表は4演題です。企画委員会で選定させていただきます。
多数の応募をお待ちしています。

◆演題申込方法

演題申込書を以下の第8回学術大会事務局に送ってください。
FAXの場合、082-257-5361
e-mailの場合、idenkang@hiroshima-u.ac.jp

(@を小文字にして送ってください)

演題申込書 (WORD:40KB | PDF:15KB
抄録見本   (WORD:33KB | PDF:14KB

演題受付後、事務局からe-mailによる受領通知をお送りいたします。
筆頭者は日本遺伝看護学会会員である必要があります。非会員の方は6月15日までに入会手続きをお願いいたします。
(入会手続きについては日本遺伝看護学会のホームページをご覧ください)

◆抄録締切 2009年6月16日-7月6日(月)

e-mail添付ファイルによる応募とします。抄録見本にしたがって、A4用紙1枚以内にMS WORD (.doc, Word2003で開けるもの) もしくはテキストファイル(.txt)で作成し、e-mailに添付して学会事務局(idenkang@hiroshima-u.ac.jp)に送信してください。 倫理的配慮についてはチェックリスト(PDF:21KB)に基づいて確認してください。

◆応募する演題の種類

  1. 口演
    • 発表は、9月11日16:30-17:50です。1演題20分(15分発表5分討論) です。
  2. ポスター
    • 発表は、9月12日9:30-11:00です。
    • 掲示は1日目終了後、または2日め朝になります。撤去は12時の予定です。 
    • ポスターの大きさは縦210cm×幅90cmです。ただし、左上に20cm×20cmの演題番号をつけます。(これは学会で準備します。)
      これを想定して、作成してください。

 

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4.宿泊


宿泊は各自手配をお願いいたします。

 

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5.食事


会期中は、周囲の飲食店をご利用ください。
学会場となる広仁会館大会議室では飲食はできません。
同じ広仁会館の、「中会議室」に移動し、お食事してください。

 

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6.託児


  • プレカンファレンス、学会1日目に託児を設けます。2日めはお子さん連れでご参加ください。
  • 託児を希望の方は以下の内容を、9月3日までに会事務局までメイルまたはFaxでご連絡ください。
    1.預ける方のお名前 2.お子さんの人数、3.お子さんの年齢、4.託児希望時間
    お菓子や飲み物など必要なものはすべて持参してください。

 

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7.事務局


日本遺伝看護学会 第8回学術大会事務局 中込さと子
広島市南区霞1-2-3 広島大学大学院保健学研究科
Tel/Fax 082-257-5361 e-mail idenkang@hiroshima-u.ac.jp

(@を小文字にして送ってください)

 

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