日本遺伝看護学会は遺伝看護サービスのありかたとその質的向上について考えています

調査結果報告

 

2003/3/30

遺伝看護専門看護職に関する検討委員会

ヒトゲノム計画の成果を受けて、我が国の遺伝サービスも急速に発展してきています。こうした発展に対応すべく,日本人類遺伝学会では既に遺伝専門医 の認定制度をスタートさせており、続いて日本人類遺伝学会、日本遺伝カウンセリング学会、厚生科学研究班によって非医師の遺伝カウンセラー認定制度等につ いて検討が始まっています。

日本遺伝看護学会では、この数年の間、学習会や研究発表会、交流集会などをとおして保健医療における一般看護職者および遺伝看護専門職者の役割遂行 のありかたを模索して参りました。この度その一環として,1)医療機関における遺伝専門看護職者の雇用ニーズを展望するために、看護管理者の考えを把握す る 2)看護系大学における遺伝看護教育のあり方を展望するために、学部または学科の看護教育責任者の考えを把握する目的でアンケート調査を実施しまし た。

その結果をここにご報告させていただきます。

ご協力いただきました関係者の皆様には心より感謝申し上げます。 

 

調査方法:
 郵送による質問紙法
調査期間:
 平成15年1月10日?30日
調査対象:
医療機関は全国大学病院、国立病院、 
465施設に送付し、回答の得られた217施設(回収率47%)
全国4年制大学教育機関
95施設に送付し、回答の得られた51施設(回収率54%)
調査結果:
ここでいう遺伝専門看護職者とは、看護師・保健師・助産師の資格を持ち、更に遺伝看護や遺伝に関連する大学院修士課程や学会等の実施する研修課程を終了し、遺伝専門の知識や相談技術を持っている者を仮定しています。

<医療機関> 臨床管理職者対象


質問1)遺伝疾患や染色体異常の看護ケアニーズは現在どのくらいあるか。
「あり」が特定領域においては39%、全領域では15%であった。 
質問2・3・4) この5年間に院内教育において、遺伝関連のテーマが取り上げられたか。
取り上げられたのは、「遺伝や先天異常の基礎知識」9%、「遺伝性疾患や先天異常を持つ人のケアに関すること」7%、「事例報告」16%であった。
質問5)遺伝に関連した外部研修をこの5年間に受けた看護職者がいるか。
「いる」17%、「いない」65%であった。
質問6)今後、看護職者が遺伝に関連した外部研修の受講希望がある場合どのような処遇か。(複数回答あり)
「旅費負担」「公休扱い」25%「参加費用補助」21%、「考慮しない」13%で、一方「わからない」が最も多く36%であった。
質問7)将来看護職者で遺伝に関して専門資格をもつ人が出てきた場合、看護部として雇用するか。
雇用の「可能性あり」19%、「なし」21%、「わからない」57%であった。
「可能性あり」と回答した施設において、雇用条件、配属方法、給与はどうするか。
雇用上の「差なし」46%、「資格に応じる」20%、「未定」24%であった。
配属は、「専任」10%、「併任」10%、「指導者として」55%であった。
給与は、「差なし」32%、「CNS相当」29%、「未定」32%であった。

<教育機関> 4年制大学教育機関管理職者(看護)対象


質問1)遺伝に関する教育はどの程度実施されているか
遺伝学・人類遺伝学を、「必修開講」16%、「選択開講」25%、「含他科目」49%であった。
臨床遺伝学を、「必修開講」12%、「選択開講」12%、「含他科目」65%であった。
遺伝性疾患や先天異常を持つ人のケアに関する教育を、「必修開講」8%、「選択開講」10%、「含他科目」61%であった。
質問2)基礎看護教育における遺伝関連科目の今後について(複数回答あり)
「遺伝関連科目を設定する」12%、「内容を追加する」55%、「現状維持」45%であった。
質問3)教員の「遺伝看護」への関心
「大部分の教員が関心あり」20%、「一部の教員が関心あり」80%であった。

*大学院教育について

質問4)大学院における遺伝看護教育の必要性はあるか。
「必要あり」68%、「わからない」22%、「必要なし」6%であった。
質問5)「ある」と答えた方はどのような教育を考えているか
「専門領域として考えている」23%、「共通選択科目として」34%であった。
質問6)「必要なし」と答えた方の理由
基礎教育レベルでよい
質問7)将来的にどのように考えるか。
「今後開講の予定あり」8校、「現在検討中」13校、半数強は、「担当教員がいれば可能性あり」であった。